既婚女性の第一礼装。五つ紋付の黒地裾模様

黒留袖は祝儀のためのフォーマル用着物で日向紋を五か所に染め抜き、黒地の裾に格調高い模様が描かれています。

江戸時代、女性が婚礼を迎える際、それまで着ていた振袖の長い袖を切って短くしました。

その風習を「留める」と言い、留袖は黒地に限らず大人の女性が着る着物全般を指していました。

19世紀初め頃に、黒地染め抜き日向五つ紋の裾模様の着物を既婚女性の式服とする習慣が民間に広がり、以来現在までこの着物を黒留袖と言い習わしています。